今日の音楽はジェズアルドのマドリガーレ集第5巻です。

今日はモンテヴェルディのマドリガーレ集第5巻を流していきます。
ジェズアルドが妻とその愛人を殺害してから21年目に出版されています。
第4巻を聞いていて思ったのは、第4巻から半音階進行が増えていて、これはフェラーラの音楽家ニコラ・ヴィチェンティーノの考案したアルキチェンバロの影響が大きいのではないかということです。
ヴィンチェンティーノは古代ギリシャのテトラコルドの音律理論を検討し、その微分音を実現するべく1オクターヴに36のキーを持つ「アルキチェンバロ」Archicembalo という鍵盤楽器を創案しました。
ドド♯レ♭レレ♯ミミ♯ファファ♯ソ♭ソソ♯ラ♭ララ♯シ♭シ
のような鍵盤で、平均律ではド♯とレ♭は同じ音ですが、この楽器では別な音なのです。
ジェズアルドの記譜には現在だとソ♯ラと表記するはずのものがラ♭ラ♮と表記されているものがあります。
これなどは明らかにアルキチェンバロを使って作曲していた証拠だと思います。
フェラーラ以外にはほとんど広まらなかったアルキチェンバロですが、ジェズアルドが再婚したエステ家にたまたまあったアルキチェンバロとその銘酒だったルッツァスキの影響でジェズアルドが半音階進行に傾倒していったのではないかと思います。
第5巻は1597年に故郷のジェズアルドに帰って14年目の1611年に出版されています。
華やかなエステ家のサロンから離れて、孤独な生活を送るジェズアルドの個性がいよいよ色濃く出てきます。

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